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秘蜜に濡れて
第8章 魔法をかけるから
撥春の手がパジャマのボタンに伸びると、あいりはその手を握った。

「何?ボタン、取れないよ?」

「…他に…撥、春さんは…何…されたんですか…?」

目を丸くする撥春。

あいりはさっきの話を気にしているのだと気付く。

その日その場限りの女たちとの情事。

「あいり、ごめん、言わなきゃ良かった、知らなければ…過ぎた事だった」

胸の中に埋めた顔を振って否定する。

「私が…したいんです、撥春さんの…全部が知りたい…」

「あいり、俺も同じだよ」

「…私が…厭らしくなっても…嫌いにならないでください」

「ならない、なれないよ、俺のせいにしてくれる?」

鼻を擦り合わせながら、頷くあいりの唇を奪う。

啄むような、ちゅっちゅっとリップ音だけが響く。

ボタンを外し、ブラも取り去る。

明かりの下に素肌が晒け出されると、あいりは両腕で胸を隠した。
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