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秘蜜に濡れて
第9章 BLIND
始発の新幹線に乗り込み、雪夜から細かい注意事項を言い渡される。

「先方はもう美山 律でいきたいらしい、が、美山サイドが企業の実績に今一ピンとこないらしくて、返事を渋っているらしい」

「確かに上場してから日は浅いですけど、実績としては申し分ないですけどね」

「美山も今かなりノッてる時だからな、リスクは避けたい時だろうな」

食事をとり、あっという間に大阪に着いた。

展示会はかなり大規模なもので、クライアントのブースは一等地に在った。

「黒澤さん、わざわざどうも」

「進藤常務、お疲れ様です、凄いインパクトですね、かなりの宣伝になりますよ、これは」

「ありがとう、あとはイメージキャラクターだけなんだよ」

「そうですね、その件に関しては…」

あいりは二人から少し離れて、デジカメでブースや商品を収める。

企業ブースで働く社員達をチェックし終えると、他のブースを回り、何が違って、何が同じなのか細かく書き留めた。

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