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第8章 あんなカノジョ《再々》

　
「ふぅ……」

　キョロキョロと辺りを見回し、何も変化が無い事を確認する。

「まさか…この歳で………」

　繁みに覆われた一角に、僅かにポツンと拓けた空間。

　首を僅かに伸ばせば、通りを歩く人影。

　慌ててサッと頭を下げて、その人影が去って行くのを待っていた。

　ホットパンツとショーツを膝の所で丸め、膝を折り曲げて屈んでいる体勢。

　当然ながら、日焼け跡の残る丸い尻も、逆三角形に整えられた陰毛に飾られたワレメも剥き出しの状態だった。

　足下の地面は、体内から噴き出した液体で濡れていた。

「そろそろ戻らないと………」

　そう思いつつも、なかなか繁みから抜け出せない。

　出ようとするタイミングで通り掛かる人影。

　いきなり繁みから現れたら、何を疑われるか分からない。

　いくら見知らぬ相手であっても、杏子は要らぬ詮索をされたくなかった。

　それ故に、人影が途切れて安心できるタイミングを見計らっていた。

「…って……何で………こんなタイミング悪いんだ………」