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カノジョ
第2章 あんなカノジョ
 
「…であるから……って、聞いてるのか? 霧島っ」

「ふぇっ!? き、聞いてたよ、アンズ先生ぇっ」

「その割には、何を一生懸命書いてたんだ?」

「えっ!? えっと………」

 長い黒髪をポニーテールに纏め、パンツスーツに身を包んだ女教師の言葉に言葉を詰まらせる真希。

「まぁた、何か変な物書いてんだろ?」

 アンズ先生と呼ばれた女教師は、凛とした雰囲気を漂わせながら男勝りの口調で言い放つ。

「ち、違っ………」

 周りの生徒が密かに笑みを溢す事が羞恥を駆り立て、真希は顔を赤らめる。

 的を得ているだけに、はっきりと言い返せないでいた。


…えっちな小説のネタを授業中に書いてたとか…
…絶対に言えないよぉ…


「じゃあ、霧島は放課後に………」

 真希が口籠もって俯くと、それを助けるかのように、終業のチャイムが女教師の言葉を遮った。

「……まぁ、良いか…。では、気をつけて帰るように」

 いつもの事だけに、内心では辟易していた女教師も深く追求する事も無く、教室を後にしたのだった。


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