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カノジョ
第5章 あんなカノジョ《再》
 
「はぁ…カラダ……おも………」

 思わず独り言ちる杏子。

 その姿は、長い黒髪をポニーテールにし、パンツスーツを身に着けた女教師のもの。

 青春真っ只中の生徒達の喧騒が耳に飛び込む。

 凜とした佇まいを見せながらも、依然として、ナカにモノが挿入っていると錯覚を覚える。

 腸内をアナルビーズが転がる感覚が残る。

 淫らに乱れた一夜から明けた翌日は、毎度のように倦怠感を感じながら出勤していた。

 普段の杏子が見せるとは思えない、濃厚な一夜。

「アンズ先生…此処なんですけど………」

「あぁ…此処はな………」

 凜とした態度で居ながら、生徒達にはそれなりに慕われる。

「アンズ先生っ…その口調止めないと、何時まで経っても彼氏出来…」

「うっさいぞっ!? それ以上言ったら………」

「ご、ごめんなさいっ」

 杏子は、からかわれるのも慕われている証拠だと思うようにしていた。

 廊下を歩けば生徒から声を掛けられ、他愛も無い会話や遣り取りを繰り返す。


…この子たち……
…アタシにも…こういう時…あったんだよなぁ………


 肉欲に溺れ、精液に塗れた一夜から明けた翌日は、生徒たちが眩しく感じる杏子だった。
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