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Love adventure
第13章 背中にささやく「すき」
ぎゃんぎゃん高い声で喚かれ耳が痛い。
「ごめんね、体調が悪くって寝込んでて……」
「そうなの?もう良くなったの?
智也が、あんたにパソコンでメールしたけど返事がないって、連絡してきたのよ?」
ドクンと心臓が重く鳴り、携帯を持つ手が微かに震えた。
「……智也が?」
「そうよ!心配してたわよ?
『来週、何日間か日本に帰るからほなみに連絡してくれ』って言ってた」
思わず椅子にへたり込んだ。
――帰ってくる。智也が――
何の感情も湧いてこない自分にショックを受けていた。
その時、テレビから聞こえたワイドショーのコメンテーターの声に、ほなみの全神経が集中する。
『人気ピアノロックバンド"クレッシェンド"のボーカル西本祐樹さんが、右手の負傷の為3月14日に予定していた日本武道館ライヴを延期するというニュースが入ってきました』
ほなみの目は、テレビに釘付けになった。
――右手を怪我?
数日前、ここで別れた時の事を思い起こし、思わず叫びそうになる。
「どうしたの?」
あぐりが怪訝な声で聞いてきた。
(私のせいだ……私のせいで西君が……)
頭の中でそんな思いが渦巻く。
「……ううん……何でもない」
震えてしまう声に気づかれないよう、ほなみは努めて平静を装った。
「ごめんね、体調が悪くって寝込んでて……」
「そうなの?もう良くなったの?
智也が、あんたにパソコンでメールしたけど返事がないって、連絡してきたのよ?」
ドクンと心臓が重く鳴り、携帯を持つ手が微かに震えた。
「……智也が?」
「そうよ!心配してたわよ?
『来週、何日間か日本に帰るからほなみに連絡してくれ』って言ってた」
思わず椅子にへたり込んだ。
――帰ってくる。智也が――
何の感情も湧いてこない自分にショックを受けていた。
その時、テレビから聞こえたワイドショーのコメンテーターの声に、ほなみの全神経が集中する。
『人気ピアノロックバンド"クレッシェンド"のボーカル西本祐樹さんが、右手の負傷の為3月14日に予定していた日本武道館ライヴを延期するというニュースが入ってきました』
ほなみの目は、テレビに釘付けになった。
――右手を怪我?
数日前、ここで別れた時の事を思い起こし、思わず叫びそうになる。
「どうしたの?」
あぐりが怪訝な声で聞いてきた。
(私のせいだ……私のせいで西君が……)
頭の中でそんな思いが渦巻く。
「……ううん……何でもない」
震えてしまう声に気づかれないよう、ほなみは努めて平静を装った。