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ジェミニの檻
第10章 流星
自分の思いもそっちのけで志貴の差す方を見つめた。

「どれ?」

「あれ」

指先には幾つも星が輝いていてどれだか特定できない。

「あれってどれ?」

志貴の視線に合わせる様に指先に頬を寄せて見つめるが、明るさに差があるだけでやはり分からない。

「きゃっ…志、貴…?」

志貴の胸に倒れ込む様な体勢に六花が慌てる。

ドキドキという志貴の鼓動が、耳に伝わる。

自分の鼓動も同じ様に届いているのだろうか。

「志貴…あの…重いでしょ…?」

何も言わない志貴は、代わりに六花を腕の中に閉じ込めるように抱き締めた。

今起こっている事が飲み込めず、志貴がどういうつもりでこうしてるのか、表情の読めない体勢に、六花はただただ身を堅くする事しか出来なかった。

「六花…



























…好きだ」
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