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ジェミニの檻
第13章 noreason
「由岐く…ん…」

由岐の隣には渉がいて、渉の陰には…梢がいた。

「六花ちゃん、ごめん、俺が口を滑らしちゃって」

手を合わせて頭を下げる渉に六花は笑顔で首を振った。

「そんな…気にしないで」

梢は由岐の傍らで校舎案内を広げている。

「えーれな!」

その声に訝しげに振り返るえれな。

ひらひらと手を振る宗治の隣には二人の女の人。

「佳織さん!お久しぶりです」

「きゃー、六花ちゃん!やっぱ本物の女子高生はキラキラしてるわ!」

ぎゅっと抱き締められて、六花はまんざらでもない笑顔を綻ばせた。

もう一人の女の人は…。

「あ、こいつ麻央ね、大学でゼミが一緒なの」

「こんにちはー、お邪魔します」

清楚な白のワンピースにミントグリーンのカーディガンを羽織って微笑む麻央は余裕たっぷり見えた。

「六花ちゃん、志貴くんは?」

「え?…多分教室に…」

「行こ行こ!連れてって!志貴くんに会いに来たの」

志貴に会いに来た?何故?

戸惑いの表情に、由岐の手が伸びる。

「誰か知りませんけど、こいつは今日は俺の案内をするんですけど?」

「あれー?志貴くんに似てるね、キミ」

「志貴は俺の双子の弟です」

「あ、そうなのー?じゃ一緒に行こっか?」



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