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ジェミニの檻
第13章 noreason
後夜祭が始まっていた。

持ち場の片付けが終わった人から後夜祭へ行く人や帰る人、打ち上げへ行く人と分かれていく。

「えれなは宗治さんとこ行くの?」

「ん、六花は?」

「図書室行って、返却された暗幕を片付けたら帰る」

「じゃあまた火曜日にね!」

バイバイと手を振ると、荷物を手に図書室へ向かった。

手分けして暗幕を数え、元の位置に戻していく。

「池内さん、こっちはもう終わるから、帰っていいわよ?一人で大丈夫?」

「はい、じゃあお先に失礼します」

ガサガサと音を立てる紙袋を下げて、明かりの消えた廊下を歩く。

「あ、暗幕、返却してない…」

一年生のクラスでくしゃくしゃに丸められた暗幕を引き揚げる。

文句を零しながら他も見て回るが、その一枚きりだということに安堵した。

「何してる?」

階段の上からの声に顔を上げると、そこには志貴が頬杖を付いて見下ろしていた。

「暗幕の回収…志貴は?」

「さっさと返して来いよ、帰るぞ」

「…先帰ればいいじゃん…別に待っててなんて言ってないし、私は志貴と、関係ないもん…」

「それ、マジで言ってんの?」

トーンの落ちた志貴の声色に、六花は暗幕を抱く手に力を込めた。
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