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ジェミニの檻
第2章 it's all your fault
ゆっくりと近づいてくる志貴の唇から目が離せない。

あの、初めて由岐の試合を観に行ったあの時と同じ唇が、もう触れそうな距離にあった。

なのに。

唇を通り過ぎて、六花の耳たぶを噛んだ。

「…っはぁ…っ!」

温かい舌がそのまま耳を這う。

…くちゅ…っちゅ…

ダイレクトに響く水淫な音と、背中をぞくぞくと這い上がってくる何かに思わず志貴の制服のブレザーを握った。

「もっと、か?」

耳元で喋らないで…六花はぎゅっと目を瞑る。

志貴の淫靡その誘いを…頭では否定する。

身体は…頷いてしまう。

「言えよ、お前の口で」

下唇を噛んで、言えないと首を振ると志貴の舌は更に耳を舐った。

…ちゅっ…くちゅ……ぐちゅ…

「…も、ゃあっ…!」

「嫌?…良いの間違いだろ?」

耳たぶだけをしつこく犯されて、足が震えると志貴は舌を引っ込めてクスリと嘲笑った。

その場にへたり込んだ六花。

「アイツと、まだヤってないんだ?」

六花の肩がびくっと揺れる。

「大事にされてるとか思ってる?あいつ、お前が初めてじゃないよ、中学ん時から女が切れたことないから」


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