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ジェミニの檻
第2章 it's all your fault
志貴は六花が自分に気付いたのに顔を上げて、指先に引っ掛けられている図書館の鍵を見せた。

「夢中になるのもいい加減にしろ」

いつ呼ばれたかも覚えていない、寧ろ呼ばれたのだろうか。

焦って梯子を下りると、足を滑らせた。

「きゃっ!!」

下に居た志貴の胸に倒れ込む。

見た目は細いのに、ずっと厚い胸板。

「ご…ごめんなさい!」

床に落ちた本を拾い上げる。

「色々落とすヤツだな」

パラパラと中身を捲る長い指に目が留まる。

「好きなの?」

指を見つめていたことに後ろめたさを感じる。

「あ、ごめ…その…」

「星」

本の表紙を向けて、その横から覗いた笑みに六花の心臓が跳ねた。

由岐じゃない、由岐に似てるだけなのに。

「そんな顔して、煽るな」

バサッと音を立てて本が落ちると、それを合図にしたかのように志貴は六花の腕を取って引き寄せた。
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