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ジェミニの檻
第6章 不安材料
四校の総当たり戦は既に始まっていた。

「へぇ、レベル高いねえ」

宗治が体育館二階の柵に凭れながら素直な感想を述べた。

六花はスパイクを決める由岐を笑顔で声援を送った。

明応学園が勝利を収めてベンチへ戻ってくる。

「由岐く…「由岐っ!お疲れ!!」

タオルとドリンクを手渡す女の子。

顎までのショートボブがよく似合う向日葵みたいな明るい笑顔の女の子。

「サンキュー、梢」

スコアを見せながら肩を寄せる彼女の表情。

「こらーっ!由岐っ!」

顔を上げて六花に気づいた由岐は手を振った。

六花はなんとか笑顔を作って応えた。

「六花、あれ、マネージャーだから」

「えれな、''あれ''呼ばわりは良くないなあ」

うるさいっと一喝されて引き下がる宗治。

「うん」

六花にはバレーボールの話しは出来ない。

応援は出来ても毎回じゃない。

あの子は毎日一緒なんだと思うと…羨ましい気持ちでいっぱいになる。
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