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ジェミニの檻
第9章 distanse
放課後、六花は由岐の学校の門の前に立っていた。

公園と指定されたけれど、それまで待っている自信がなかった。

「ねー、誰の事待ってるの?」

軽そうな男の子が三人、六花を取り巻いた。

「2年の松永くんを…」

「松永って、バレー部の?」

頷く六花。

「松永なら、まだ7限じゃね?」

「スポーツ特待だからねえ、あと15分くらいだよ」

見た目とは裏腹にちゃんと終わり時間まで教えてくれた。

彼等の言った通り20分程で出てくる人が増え始めた。

「由岐!自主練は?」

「今日はパス!」

「1日サボると取り返すのに3日かかるわよ?」

「家でやるから!」

梢は絡めた腕をなかなか手放さない。

「梢!マジやめて…っ!六花!」

梢は焦る様子もなく、こちらを見ていた。

強引に腕を引き抜く由岐。

「来て…「こんなとこまで来て彼女面したいの?束縛キツすぎるわね、それとも自信がないの?」

由岐の言葉を遮る梢は睨んでいるようにも見える。

「梢っ!行こう、六花」

手を繋ぐと由岐は足早にその場を去った。
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