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着せ替え人間
第1章 着せ替え人間

またチャイムが鳴る。
部屋の隅、タグがついたまま積み重なった服の山。
24時間フル稼働のパソコン。その傍らで充電に繋がれっぱなしのスマホ。
流しに放置された汚れた食器。
ドラム式洗濯機の中で文字通り日の目に当たるのを待つ濡れた洗濯物。
フローリングの上を転がるふわふわの埃。
それらを横目に、ママはハンコを握って玄関へ走る。
金色の髪とひじきみたいな睫毛と豹柄のスリッパで。
リビングに舞い戻ったママはキタキタって呟きながら紙袋を開ける。
中からぱりっとしたビニールに入ったブランドタグが出てきた。
着てみて、ソファの上で死んでた私にママが中身を投げる。
サイズは150、このブランドの上限は160。
あと何年、この儀式が続くのだろう。
気怠い身体を起こし、目がチカチカするピンクのボーダーに頭を通す。
その傍らで、ママはスパイラルパーマの当たった妹に、同じ柄の服を着せていた。
部屋の隅、タグがついたまま積み重なった服の山。
24時間フル稼働のパソコン。その傍らで充電に繋がれっぱなしのスマホ。
流しに放置された汚れた食器。
ドラム式洗濯機の中で文字通り日の目に当たるのを待つ濡れた洗濯物。
フローリングの上を転がるふわふわの埃。
それらを横目に、ママはハンコを握って玄関へ走る。
金色の髪とひじきみたいな睫毛と豹柄のスリッパで。
リビングに舞い戻ったママはキタキタって呟きながら紙袋を開ける。
中からぱりっとしたビニールに入ったブランドタグが出てきた。
着てみて、ソファの上で死んでた私にママが中身を投げる。
サイズは150、このブランドの上限は160。
あと何年、この儀式が続くのだろう。
気怠い身体を起こし、目がチカチカするピンクのボーダーに頭を通す。
その傍らで、ママはスパイラルパーマの当たった妹に、同じ柄の服を着せていた。

