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初花
第3章 玻璃
思えば、龍の前で 笑ったのは
はじめてだった。

鬼よりは、、か。

その瞳が親しみを示さない、と嘆く前に

私が 先に、 彼にも分かるように
慈しむべきであったのかもしれない。

歳も 立場も違えば、
体躯の大きさも 力も あまりに違う男に
無理に連れてこられ
それで 自然と懐く筈が ないのだ。


手に入れたかった者は
いつの間にか、愛でたい相手に 変わった。。


この腕のなかで 静かな寝息をたてる和を
心から愛しく想いつつ
これまでを 悔いる。
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