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第9章 ココロの穴

(ちゃんと話せば気持ちの整理がつくかもしれない)

とりあえず梢の指令は置いておいて、根拠のない思いつきを口実にあたしは天志に会いに行くことにした。

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一年生の教室が並ぶ廊下に差し掛かった時、ちょうど天志の姿が見えた。

「あ、たか…」

確かに目が合ったはずなのに、天志はフイッと視線を外して角を曲がっていってしまった。

(避けられ、た…？)