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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
「だから孝秀は私の言いなりなの。靴を舐めろって言ったら素直に舐めるくらいね〜」

「そんな……」

孝秀の立場を考えたら、自分の生活をみてくれて実家の借金まで返してくれたら、言うことを聞かざるを得ないだろう。

今直ぐに私がどうこう出来る次元じゃなくなってきている。

孝秀は、どうしたいんだろう……。

この『鳥籠』に一生囚われて生きていくのだろうか?

呆然としながら視界に入ったキャンバスを見やる。

キャンバスに描かれた『マキコ』は色鮮やかだけど、虚空を見詰める孝秀の瞳みたいに無機質に思えた。

孝秀はこの女を描き続けるためだけに、この先ずっと筆を握るの?

描きたいものも描けず、ただマキコの欲望を満たすためだけに――――!?

せめて……
孝秀に好きな物くらい自由に描かせてあげたい。

身体が束縛されていても『心』だけは、あの透明な吸い込まれるような『藍色』のように……

もっと自由に広がる世界へ、彼を羽ばたかせてあげたかった。

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