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白い背中と君の藍
第7章 ブラック◆消えて…
負けてなるものか……。

孝秀に『自由』を取り戻すんだ。

背けた顔をマキコに戻して、真っ直ぐと目線を合わせる。

強気な表情になってもマキコは少しも動じることはなく、私の出方を笑いながら待っていた。

「な〜に?  言いたいことあるんでしょう」

何を言っても通じないかもしれないけど、ここで逃げたら二度と孝秀に会えなくなる気がする。

諦めたくなかった……
孝秀の未来のために――――。

「孝秀をもっと自由にさせて下さい」

回りくどく言えるような知恵は私にはない。

単刀直入にマキコに言うと

「自由?  好き勝手してるじゃないの〜。何人女を連れ込んでも孝秀に止めろなんて言ってないわよ〜」

マキコはわざとらしく、私以外の女の存在を主張してくる。

「そういう自由じゃなくて……」

「遊べるだけのお金もあげてるわよ。これ以上の自由何があるの?」

表面上はそうだ……
孝秀は自由に見えるだろう。

でも、マキコだって分かってるんだ。

「自由にして欲しいのは……彼の才能です。彼にもっと自由に絵を描かせてあげて下さい!」

切実な声で叫ぶと、マキコ少し目を細めた。

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