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水蜜桃の刻
第4章 記憶


「だって……先生、悪いひとだもん……」


熱に浮かされているような頭で、無意識のうちに言っていた。


「俺が?」

「だって私が悪い子なら先生は悪いひとだよ……」

「何で」

「……生徒に手を出してるから……」


その言葉に、先生は苦笑いをする。


「生徒から誘惑されたんだけど」

「でもそれに乗った時点で先生もそうだもん……」


は、とその言葉にまた意地悪そうに笑った。

ぞくぞくとさせられるその表情。

今だけは、先生は私のもの。
誰のものでもない、私だけのもの──そんな考えが頭に浮かぶ。


「お願い先生……いっぱい痕、つけて……っ」


ぎゅっと、その身体を抱きしめた。


「外から見えない場所にでいいから、いっぱい……お願い────」


やがて先生は、わがまま……と呟くと、私の胸元へと頭をずらした。
再び触れられたふくらみに、唇が落とされる。


「んぅ」


強く吸い付かれ、思わず息を漏らす。
それはまた、別の場所にも。
何度も先生は、そうした。


夢じゃないよね?
これって本当のことだよね?


頭の中で何度も聞く。
誰に聞いてるかなんてわからないけど、そうやって聞かずにいられなかった。


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