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水蜜桃の刻
第4章 記憶


「……誰と比べてんの」


キスを止めた先生が呟いた。


「子供と比べられても嬉しくないんだけど」


そして私を押し倒し


「……ごめんね、慌ただしくて」


そう言いながら、私の身体に跨がった状態で自分のシャツを脱ぐ。

首を振って答える私の目の前には、その引き締まったきれいな先生の上半身。

首筋に落とされた、先生の唇。
つつ……と舐めあげるようにして耳へと辿り着く。
ちゅ、とそこにキスをされ、もう片方の耳は、指先で優しくかたちをなぞられた。


「あ……」


びくん、と反応する身体。


「や……先生……っ……」


はあっ、と大きく息を吐く。


「……ん?」


耳元に、先生の声。


「っあ」


だめ……、と呟くと


「ここはまだ知らなかった場所?」


そんなふうに囁かれ、舌先が耳を這う。


「んん……っ」


ベッドに縫い止められている片腕をぎゅっと握る。
自由なもう片方は、口元に押し当てた。

耳たぶを咥えるような愛撫。
先生っ……とうわ言のようにそれだけを口にする私に


「……そんなに先生って言葉口にされるとすげー悪いことしてる気になる」


身体を少し起こして見下ろしてきながら、先生は口にする。


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