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呪いのしるしを、君の体に。
第5章 5

「ところでことり君は、なんで一緒に夕食を食べないのかな?」
先ほどから、ずいぶんとお酒を飲んでいるのに
高槻は顔色一つ変えない。
ことりは、すきっ腹にお酒を入れたせいで、若干くらくらしていた。
「だって、マニュアルに…」
「そう書いてあったから?
そうしたら、マニュアルを変更する。
今日から、バカラ代として、一緒に夕飯を食べよう」
「え、どうして…」
ことりは、酔っているのがばれないように
半分窓の外を見ながら返答する。
「僕の夕食の後に、いつも食べているね?
あまり遅くに食べるのは、君の健康に良くない。
それに、君みたいな性格の子は、
独りより2人の方が楽しいでしょう?」
あまりにも図星だったので
ことりは高槻を見つめた。
「独りだけで食べたいときは言って。
僕もそうするから」
ね、と言われて、ことりは頷いた。
なぜか所在無く感じてしまい、一口ワインを喉に入れる。
それが、とどめだった。
「ことり君、顔、赤いよ。まっかっか」
高槻が手を伸ばしてくる。
その手に触られないように体をずらしたのだが
そのせいで目が回って、椅子から倒れそうになる。
「ことり君、大丈夫?」
「大丈夫です…部屋に、戻ってもいいですか?」
それに高槻は肯定せず
ことりをひょいと持ち上げると
ソファへと運んだ。
 

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