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呪いのしるしを、君の体に。
第9章 9
高槻の指先に絡め取られたショーツが食い込んで、ことりは息ができないくらいに感じた。
耳元で囁かれるほんの少し掠れた声に、体の奥底がじんじんと痛むように疼いた。
「せっ…先生、先生の…です…」
「うん。だから、こうしてマークしてるんだ。
大丈夫、再来週まで金城君は来ないから、君の首にこれがついていても、誰も気づかないよ」
今度は僕の目を見て答えてね。
そう言って首の後ろに噛み付くように吸い付いて、ことりを解放した。
ことりはその場で床に崩折れた。
「じゃあ、夕飯楽しみにしているからね」
先ほどの獣のような野蛮なキスとは違う、王子様のような優しいキスを頬にすると、満足したのか高槻は自室へと戻っていった。
その場で座り込んだまま動けないことりは、しばらく胸のドキドキが収まることはなかった。
やっと落ち着いて立ち上がって、自分でまくられたショーツを直すと、その湿り気にことりが再び顔を赤くしたのはいうまでもない。
ここまで計算してやっているとしたら、とんでもない悪魔だと、ことりは思った。
**********
「え、何ですか?」
つつがなく夕飯を食べ終わり、片付けをし終わって、ホッと一息ついていたことりの耳に、高槻の声が聞こえてきた。
それも、浴室から。
「シャンプー終わっちゃったから、取ってくれないかい?」
「自分で取って下さいよ!」
ことりは食後の紅茶のカップをシンクに置くと、言葉とは裏腹に浴室へと向かう。
手がかかるったらと思いながら、バスルームまで行くと、高槻は中にいるようだった。
「どこにあるんですか?」
「ありがとう。上の棚の右奥にあるんだ」
「ドアの前に置いておくので、取ってくださいね」
「泡だらけで目が見えないんだよ、手を出すから持たせてくれる?」
浴室の扉が開いて、高槻の手が伸びてきた。
ため息を吐いて、ことりがその手にシャンプーを握らせたのと同時に、思い切り引っ張られて浴室に引き込まれた。