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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第10章 作者自己満企画 *☆* one scene love

「……で? シラフな俺に何を言わせたいわけ?」


煙草に火をつけて、茜色の空に煙を浮かべると
後ろから手を回してきた彩が、ぎゅっと抱きついてきた。

……自分で考えろってこと?


「今のお前は、どんな台詞なら満足す…」

「違うの、そうじゃない。
私の方が、最近翔ちゃんに伝えてなかったなって思って」

「………!」

「忘れてた、あんな素直な気持ち。
……今だって、想いは全然変わってないのに……」


……あ、そう。
そうきた……か。

背中に伝わる熱さで、彩が相当酔ってるのは分かったけど
なぜか俺まで心臓の音が早くなっていく。



「── 翔ちゃん、好きだよ」



春風が部屋の中にふわりと舞った、それと同時に
彩がぽつりと呟いた。


「私、結婚した今でも翔ちゃんが大好き」

「……分かってる」

「分かってない」

「………!」

「全然分かってないよ、バカ」

「………」


「……なんで私ばっかり、こんなに好きなの……」



最後は消えそうなくらい、小さな涙声。

煙草を灰皿に潰して、ゆっくりと後ろに振り返ると
彩は瞳を閉じて、俺の肩に顔を埋めて動かなくなった。



……分かってねぇのは、お前だろ。



「彩、お前今酔ってるよな?」

「……酔って、ない…」

「嘘つけ。泥酔してんだろ」

「……う、ん…」

「……じゃあ
今から言うことはすぐに忘れるよな」



夕陽が照らす、彩の赤い頬に手を添えて
寝息を立て始めた彼女の耳元で、そっと囁いた。




「変わってねぇよ、俺だって。
……むしろあの日よりも……」




神父の誓いの言葉を、心の中で繰り返したあの時よりも







「── 彩を愛してる」












one scene love【s】…☆… END♡


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