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第5章 ♥離れないで

「張本人？」

「勝手に購入した写真をネタに、人を脅して」

「………！」

「毒を抜くまで待てって言ったのに
早朝に人のマンションに押し掛けてきやがって」

「………！！」


莉央からもらった水を吹き出しそうになってしまう。

～～こ、この期に及んで思い出したくないことを……！！


「ちょっと莉央！それは反省したって言ったじゃない…」

「海に行くとかほざいて、運転させて」

「……！ だ、だからそれは……」

「人の実家に土足で上がり込んで、まさかの結婚宣言」

「～～～っ」


同じく海を見つめたまま、淡々と思い出を語る莉央。

そりゃ、低血圧なあなたを引っ張りだして暴走したのは私だけど

～～～もう時効でしょうが！！

結果オーライなわけだし！！


「あのね！それは封印するべき過去なんだから、今更…」

「母親を感動させて、兄貴を泣かせて」

「……えっ！？」

「誰かを好きになっていいし
誰もが幸せになっていいと言わせて」

「………！」


「……俺と家族を繋げたのは、お前だろ」