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rena's world story★a.n.r.r.y
第11章 片想いの行方 ‐ eternally -

「電気暗くして! 全部消して!」


浴槽の無い、ガラス張りのシャワールーム。

先に入った美和が中でギャンギャン吠えるから

溜息をついて、右側にあるスイッチのパーツを下に下げた。


「も、もっと暗くして、よ……っ」

「見えなくしてどうする」

「~~見えなくしたいんだもん!!」


ドアを閉めて近付いていくと

タオルで体を隠した美和がぎゅっと目を瞑った。

……お前が目を閉じても意味ねぇだろ。


「……なぁ、なんで緊張してんの?」


壁面にかけたシャンプーを手に取って、美和の髪に指を絡ませた。

……裸で向かい合う体は、数センチだけ離れてるけど

その鼓動が全身から伝わってきて……連動してる気がする。


「……って、俺も同じだけど」

「………!」

「緊張じゃなくて
初めてお前をここに連れて来た時の心境と似てる」

「………」

「あの時も
美和が心の中で何を思っているか……分からなかった」



柔らかい髪を泡立てながら、2年前の自分を思い出す。

暗い世界に閉じこもったままの美和の現状を、なんとかして知りたくて

……今思えば、相当必死だった。



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