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rena's world story★a.n.r.r.y
第15章 考えたこともない

「メールが届かなかったら
俺は令嬢によって、東京湾に沈められたってことにしとけ」

「また縁起でもないことを…」

「お前の警告はそれだけの重みがある。
命懸けの精神で行くしかねぇな」


そう言って笑いながらエレベーターに乗ると
俺の冗談に苦笑しながら、蓮が後に続いた。


「……瀬名さ。
もしお前が逆の立場だったらどう思う?」

「逆?」

「好意を寄せるどこかの御曹司と彼女が、2人で食事をするとしたら。
それこそ心配で仕方ないだろ…」

「させねぇよ、そんなこと」

「………!」

「冗談じゃねぇ」


逆の立場になった自分を想像する以前の話。
置き換えるまでもない。


「どんな手を使っても中止に追い込ませる。
御曹司だろうが何だろうが構わず潰す」

「………」

「二度と手を出せねぇように
蘭を誘った事を後悔する程、徹底的にな」


質問に対して、自分の思うがままを口にしただけだっつーのに
俺から一歩離れた蓮が、まるで危ねぇ奴を見るような視線を浴びせてきた。

……つーかマジで引いてんじゃねぇよ。


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