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孤城の中のお姫様
第1章 『今川遥(いまがわはるか)』〜都内私立有名女子高1年生〜
私がフキンを持って、川村先生の横の椅子に座り、先生のお顔と、Yシャツの胸元を拭こうとすると、

「遥さん。大丈夫ですよ。自分で拭きますから。」

「私が拭いて差し上げます。先生お顔をこちらに向けてください。」

私は丁寧に、川村先生の鼻と頬のスープを拭いてあげた。それから、ネクタイの横の染みを軽く叩いた。

「Yシャツは染みが残ってしまいましたね。それに擦ってはいけないから、軽く叩いたけれど、下のシャツに染みてしまったかしら?」

「大丈夫ですよ。洗濯すれば油も落ちます。今の洗剤は綺麗になりますから。」

川村先生はさらに緊張した様子で、再び食事を摂りはじめた。
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