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第2章 山川静香(やまかわしずか)〜都内有名私立大文学部４年年〜

父親の地元はＭ県だけれど、生活基盤は当然、東京の自宅。

私も東京に生まれ、東京で育った。

父親がＭ県の本宅に帰るのは、地元後援会との会合や、地元市町村長と会ったりする時、そして長らく地元にいるのは選挙の時。

私は、普段は家の手伝いなんか何もしていないけれど、選挙の時だけは別。

｢おまえに今の暮らしがあるのは誰のおかげだ？兄のように縁を切るのか？すべて自力で生きるんだぞ！｣

そんな風に言われたら、言うことを聞かざるを得ない。

仕方なく、Ｍ県の本宅に行って、選挙期間は、父親に着いて、有権者に愛想を振り撒く。終わって当選すれば、100万円くらいお小遣いを貰えるから、公示前から投票日までの約３週間は我慢する。