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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第38章 救世主
誰かに大きな声で名前を呼ばれた気がした。
はっとしたと同時に、あたしのまわりの景色がさっきまでのものに戻った。
さっきまでと同じ、高台の景色に。
ただ一つ違うのは、あたしを力強く抱きしめる暖かい温もりがある事。
雷は一段と近づいて、雨は更に激しさを増してる。
ものすごい勢いであたし達に降り注ぐ。
あたしは既にずぶ濡れで、あたしを抱きしめてるこの人も、全身雨に打たれ、背中のシャツが濡れてべったりと張り付いてる。
視界に黒い傘が転がっているのが目に入った。
この人はいつもあたしを見つけてくれる。
どんなに小さな声も聞いてくれる。
昔からそうだ。
「莉愛菜…。」
そうやって今みたいに、みつけるとキツくキツく抱きしめてくれる。
「………海斗、様。」
あなたはいつも、あたしを暗闇から救い出してくれる。