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第52章 愚かな自分

それを聞いて父さんは反対してくれた。

でも向こうの社長はそんなのお構いなし。

自分の娘の意見すら聞かなかったらしい。


そして運が悪い事に、その頃清瀬コーポレーションはこれから海外進出をするという大事な時期。

そこで波風を立ててはいけないと誰もが分かっていた。

学生だった俺自身も。


いくつになったら結婚するとか、そんな詳しい話はまだ決まって無かったから、それまでにじっくり相手を説得すればいいと思っていた。

相手の女もその気が無ければ、子供同士結託してこの縁談を無しに持ち込めばいい。

そしてもし、女が俺に媚を売ってこようモノなら叩きのめしてやる。

そう思っていた。



だって、俺が好きなのは、俺が求めているのは只一人



莉愛菜だけなんだから