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第66章 不安な季節

「なんで？
なんで海斗はそんなに優しいの？」

こんな面倒なあたしなんか、愛想突かされたっておかしくない。

なのに、海斗は違う。

「どうして？！
あたし、最近変なのにっ。
海斗に迷惑ばっかり掛けて。ミスばっかりしてっ」

気が付いたら涙がポロポロと零れていた。

泣きたくないのに気付いたら泣いている。

止めることもできない。

「あたしは、海斗の重荷になりたくないっ！
嫌われたく、ないっ。
でも、海斗に嫌われるようなことばっかりして…」

「莉愛菜、何言ってるんだ？
お前がいつ俺の嫌いな事をした？
俺がいつお前を面倒だと、迷惑だと言った？」

あたしを見つめるその瞳はどこまでも澄んでいて優しい。


「お前を守るのも、支えるのも俺だけの特権だ。
だれにも譲るつもりはない。
それに、お前が泣いてる姿も、ミスをして慌てる姿も、俺の腕の中で泣く姿も
可愛くて仕方がない。
可愛い莉愛菜が見れて嬉しい事があっても、どこに迷惑な事があるんだ？
もっと見せろよ。
いろんな莉愛菜を。」