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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第69章 夏の終わりの夕暮れ



あたしもそう思う。

海斗は清瀬家の長男として、小さい頃から大人の世界を見て育った。

きっと見たくないものもたくさん見てきただろう。

そうしてる間にきっと、他人との間に壁を作るようになった。

決して人付き合いが悪いわけでも、愛想が悪いわけでもない。

でも、眼鏡を掛けて仕事モードになる時は、他人との間に線を引いてる。

自分に深く入り込んで来られないように。

弱みを見せないように。

その弱みはいずれ、海斗だけじゃなく、清瀬家自体を危ぶめる事になるかもしれないから。

だから、隙を見せないようにしてるんだ。

でも、ずっとそれだと疲れてしまう。

お屋敷で働く人間ですら海斗の素顔を知ってる人は少ない。

だからこそ、恭介さんみたいな人がお屋敷にいるって、海斗にとってすごく良い事なんだと思う。

“家族”じゃない、”他人”で心を開ける人。

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