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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第72章 胸騒ぎの理由
目の前に光る【手術中】のマーク
消毒液の匂いが広がる病院の、手術室の前
俺はただ何もできずに、廊下にある椅子に座って頭を抱えている
心臓が嫌なくらい早鐘を打つ
不安が体中を駆け巡る
なんでこんなことになった?
なんでいつも莉愛菜なんだ?
なんで
あいつばかりがこんな風に傷つくんだ?
何も悪い事なんかしてないのに
そして俺は、何もできない
ただここに座って無事を祈ることしか
莉愛菜は大丈夫
俺は自分に言い聞かせる
手術室前には俺以外誰もいない
俺がここに来た時、莉愛菜と買い物に行っていたすみれは雨に濡れたびしょ濡れの恰好で放心したように突っ立っていた
俺は仕事で職場にいて、会議に出ていた
そんな時に鳴った電話
恭介からだった
仕事中に電話なんて珍しい
なんだか妙な胸騒ぎがした
最近ずっと感じていた不安