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莉愛菜と彼の主従関係~専属奴隷契約~
第72章 胸騒ぎの理由
恭介の言葉は俺の思考を停止させた
―――莉愛菜が事故に?
その言葉だけが頭の中を駆け巡る。
あいつは今日、すみれと買い物に行くと嬉しそうに俺に言った。
俺も、一人きりであの部屋に莉愛菜を置いて行く事がどうしようもなく気になっていたから、莉愛菜が一人じゃないとわかると安心したんだ。
誰かと一緒なら、莉愛菜も塞ぎこむ事は無いだろう。
そう思って安心して家を出た。
それなのに。
今、莉愛菜はこの無機質な病院の手術室の中。
俺はその、まだ開く気配のない扉を見つめる。
すみれはびしょ濡れの身体を震わせながら、俺に向かって頭を下げ続けた。
「すみませんっ。
あたしが付いていたのに!
一緒にいたのにっ!」
あまりにも全身濡れているから雨なのか、涙なのか分からない滴が無機質の廊下に染みを作る。
「顔を上げてくれ。
お前が悪いわけじゃない。
誰も…悪くないんだ。」