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第4章 お、お母様Σ(ﾟДﾟ；)

「……ん……？」

家の中で聞こえる大きな音に、翼が目を開けた。


ドタドタと、あちこちの部屋を歩き回るような足音。

バタンバタンと、勢い良く開け閉めされるドアの音。


そして、

「セイ！セイ！どこにいるの⁉︎ 」

その、声に…

「や、べ…っ‼︎ 」

翼が飛び起きる。

枕元の携帯は、13:06 を表示していた。

昼前にはうさこを連れて家を出る予定でいたのに、明らかに寝過ごした。



「うさ！起きて！」

翼の隣には、気持ちよさげな寝息を立てる全裸のうさこ。

「んー？も、すこし……」

むにゃむにゃと口を動かし、幸せそうな笑みを浮かべる。

いつもならそれを可愛いと感じるのに、今は余裕もない程に翼は焦っていた。


「うさ！マジで起きないとヤバイから！」

ゆさゆさとその身体を揺さぶれば、

「うーん……」

唸ったうさこは身体を回転させ、

「あ……‼︎ 」

翼が止める間もなく、ベッドから転がり落ちた。


その、瞬間、

「翼！いるんでしょ！」

勢いよく開けられるドア。


「セイは⁉︎ 」

部屋に響くのは、今しがたドアを開けた翼の母親の怒鳴り声。


ドアとは反対側の床へ落ちたうさこは、ベッドの陰で母親には見えていない。

だが、母親の視線はそんなところへは向かいもせず、

「翼！何でアンタ裸なの⁉︎ 」

昨日あのまま寝てしまったために下着すら履いていない翼へと注がれていた。