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それでも大好きなんだーっ!
第5章 大和撫子、豹変⁉︎
カシャ…というシャッター音に目を覚ます。

うさこと同棲を始めて1週間。

翼の目覚ましは、このシャッター音だ。


「うさ……おはよ」

まだ開き切らない重い瞼。

「おはようございます!寝起きのつーくん戴きです♡」

いつもの半分の翼の視界が捉えた、ほくそ笑むうさこの姿。

朝から元気なその声の主を、翼は、止まらないシャッター音ごと抱き寄せる。


うさこを抱き枕に寝れば、驚くほどよく眠れる。

そのおかげか、早起きも苦ではなくなった。


「うさ、今日は何時から?」

まだ最初の講義にだって間に合う時間だ。

自身の講義の予定を思い出しながら、翼が聞けば、

「もう…今日は一日中ここに居たいです」

うさこの柔らかい頬が翼の胸に擦り寄せられる。


ギュ…と、無意識に…うさこを抱き締める力が強まる。

「……ちっさい」

翼の身体ですっぽり覆えてしまう、うさこの小さな身体。

この小さな身体のどこに、あんなパワーがあるんだろう…



(本当に…うさこは俺の ”目覚まし” だな)

朝から元気な自身の欲に苦笑しつつ、翼の手がうさこの背中を滑り降りた時……


♪〜

翼の携帯がメールを知らせる。


『つばさっ♡今日は朝から集まってるよ!来ない?』

サークルの仲間が朝から集まっていると知らせるメールは、マネージャーの夏帆から送られてきていた。


「つーくん?どうかした?」

メールを開いては首を傾げた翼を、うさこは心配そうに覗き込む。

「んー?……あ、名前だ」

夏帆らしくないメール。
その違和感は、呼び方が ”伊久美くん” から ”翼” と名前呼びになっていたからかと、翼は1人納得する。


「名前?」

今度は逆にうさこが首を傾げる。

「何でもない。サークルの皆が集まってるからってメールが来ただけ。うさこも一緒に行く?」

翼の言葉に、うさこの瞳が輝く。

そして、

「もちろんです!」

携帯片手に勢いよく立ち上がった。


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