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彼方
第5章 調教
「帰るって、どこに?」


薫は優しげな表情だったが、目は野獣のような凶暴さをたたえていた。


「ちなみ、君は今日からぼくのものだよ」


彼はぐいとちなみの体を広い胸に抱き寄せた。


「えっ・・・あのっ・・・」


ちなみはうまく言葉が出てこなかった。


彼女は困惑するべきなのか、喜んでいいのかわからなかった。


「ぼくは君の主人なんだよ。可愛い女奴隷さん」


薫はそういってちなみの頬にそっとキスした。


これから始まるであろう薫との並々ならぬ関係に、ちなみは独り呆然としていた。


私、薫先輩の、奴隷・・・・・。


彼女の胸中は、戦きと震え、そして目のくらむ興奮と官能でいっぱいだった。


そして再び、ちなみの体は熱を帯びていった。
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