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モテモテ男の裏の顔⁉︎
第10章 意外な一面。
『さっさと行くぞ。』
湊はカタっと席を立つと、伝票を持って先にキャッシャーへ歩いて行く。
「あ。ちょっと待ってよ!」
私は荷物を持つと、お財布を手にキャッシャーへ走るが湊は私の分まで会計をしていた。
「自分の分は払うよ!」
お財布の中からお札を取り出そうとすると、湊は私の頭をクシャクシャと乱し、そのままお店を出てしまった。
「あ…ご馳走様でした!
すごく美味しかったです!」
私はお店の人にお辞儀をすると、
彼はクスっと笑って
『また来てくださいね。』
と笑顔で応えてくれた。
私はカバンの中にお財布をしまうと、
湊を追って外に出た。
『遅ぇよ。つーか髪ボサボサ。』
「ちょっと‼︎これは湊のせいでしょ⁉︎」
私が手グシで髪を直していると、
湊はククっと笑いながら歩き出した。
「あ…。ご馳走様でした。」
『気にすんなって言っただろ。
お前って変なとこ真面目なんだな。』
「変なとこ真面目って?」
『お前のそういうとこ…………』
湊はボソっと何かを呟いていたけど、
その言葉は私には聞こえなかった。