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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第17章 約束

「まったく、教授も教授だわ。
イケメンに弱いんだから……」


流し台近くの給湯コーナーで、ホットコーヒーを2杯淹れると

竹中さんはブツブツ言いながら、俺の顔の前に乱暴にカップを置いた。


「俺、飲んだばかりだよ」

「悪いけど、教授より私が淹れた方が3倍美味しいから」

「これインスタントでしょ~?」

「お黙り。
文句言わずに有難く飲みなさいよ、クソガキ」


低い声でピシャリと言い放つと、竹中さんは自分のデスクに座った。


……クソガキって。

まぁ、9つも違えばガキに見えるんだろうけど

この人、女には優しいくせに、男に対してはなぜか口が悪いらしい。


……パンチの効いた刈上げのベリーショートは、ド派手なピンク色。

何の為に鍛えてんの?って聞きたくなるような、筋肉質な手足。

空デの連中は、この人を “ 姐御(アネゴ) ” とかいう愛称で呼んでたけど

むしろ “ 兄貴 ” と言った方がしっくりくると思う。

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