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第21章 来世の、来世で

……再び顔を伏せたユキを見て、遼くんは微笑むと

体の向きを変えて、真っ直ぐ私を見つめた。



「春菜、俺はな。
お前の心を閉じ込めたいわけじゃねぇんだ」

「………！」

「苦しくさせたり、泣かせたいんじゃない。
お前に惚れてるからこそ、心からそう願ってる」

「………っ」

「……分かるか？春菜」




……優しい問いかけに、私は何度も頷いた。




“ 自分の想いのままに ”



分かるよ、遼くん。

私は、ずっと遼くんに片想いを続けてきて

ずっと貴方を見てきたから



貴方が何を願っているのか

貴方が今、何を祈るのか

遼くんの本当の想いが、ちゃんと伝わってくる。




「……雪斗」



ユキに視線を戻した遼くんが、右腕を伸ばして

下を向いたままの彼の頭に、優しく手を乗せた。



「やっと聞けたな、お前の本音」


「………！」


「桜が死んでから、周りはみんなお前に救われていたんだ。
お前が、いつも笑顔でいてくれたから」


「………っ」


「……雪斗だって、苦しかったのに。
ずっと助けてやれなくて、ごめんな」