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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で

……くしゃくしゃと、遼くんに髪を揺らされたユキの瞳から

ひとつ、またひとつ

大粒の涙が、砂浜の上に落ちていく。


遼くんの鋭い目も、少しだけ潤んでいるように見えるけど

私はもう泣き過ぎて、ぐしゃぐしゃで

2人の姿が、涙で滲んでよく見えない。



「……春菜、雪斗」



ユキの頭から手を外した遼くんが

私の右手と、ユキの左手を握り締めた。



「初心に戻った俺の
本当の想いと、願いを聞いてくれるか?」



……更に強く、遼くんが私とユキを包み込む。

遼くんはゆっくり目を閉じて、息を吸った。




「……春菜と雪斗が、この先もずっと

この手を繋いで、寄り添って生きていってほしい」



「………!」



「今日1日、笑い合う2人を見て確信した。

相手を想う心の優しいお前達が、自分らしく生きて、幸せになれる相手。

それが春菜にとってのユキで、ユキにとっての春菜だ」



「………っ」



「……今、心からそう感じてるよ」




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