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春雪 ~キミと出逢った季節 ~
第21章 来世の、来世で

……遼くんの笑顔を見て、胸が熱くなってくる。

私、ほんの少しでも

彼の心に寄り添い、光になることが出来ていたのかな……



「お前達を見て、俺も決めたよ」


私達から離した自分の両手を、遼くんはぎゅっと握りしめた。


「ずっと殻に閉じこもって、鎖をかけていたけど
……一歩ずつ、前に進んでみる」

「………!」

「この先どうなるかは分からねぇけど
ちゃんと自分自身を見つめ直して、歩き出してみるよ」



夕陽に照らされた遼くんが、笑ってくれている。

深い瞳に、力強さが宿って見える。



「……春菜」



遼くんが再び私を見て

私の頬に伝う涙を、人差し指でそっと拭った。



「……これからは、思いっきり笑ってくれ。
雪斗が一緒だから心配ねぇけど」

「………っ」

「短い期間だったけど、傍に居てくれて嬉しかった。
俺は、救われたよ」

「…りょう、く……」

「ありがとう、春菜」


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