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退魔風紀 ヨミ ~恥獄の学園~
第1章 ヘイワード国際学園の怪

振り返ると、倉庫の入口に背の低い小太りの男子生徒が立っていた。
「ギニー・ディーン!」
詠の口を衝いて出る依頼人の名。
「イエ~ス! イッツ・ミー!」
やけに甲高い、ハイな返答。
「エシシシ、た、退魔師の人だね」
「……ええ。ヨミ・ツキヨノ。退魔風紀よ。この娘はどうしたの? あなたが縛ったの?」
「エシッ、ど、どんな人が来るかと楽しみにしていたんだ。で、でもまさかこんなキュートな女の子とは思いもしなかったお」
ひどいオタクなまりの英語だった。学業優秀な詠ではあったが、日本の学校で習った範囲の英語力でしかない。ネイティブというだけでなく、気色悪い言葉使いのギニーの発音は聞き取りづらかった。
「エシシッ! ぼっ、僕もた、退魔師なんだお! エシッ!」
「あなたも?」
「これ、魔法の首飾り!」
ギニーは首からレイのように大きな輪の首飾りを掛けていた。ゴテゴテしていて玩具のようにも見えるが、それが退魔師の証だとでもいうように、ギニーはうやうやしさすら感じさせる態度で掲げて見せる。
「じゃあ、この娘が魔物なの? それとも憑き物憑き?」
「エシシシシッ! 日本の退魔術に興味があったんだお!」
間。
詠は口ごもった。どうも先ほどから会話が成り立っていない。自分の英語が通じていないのかと思ったが、どうやらギニーは人の話を聞かない性格らしい。それに、見たところ欧米人のくせに人の目を見て話さない。
「質問に答えて!」
「ギニー・ディーン!」
詠の口を衝いて出る依頼人の名。
「イエ~ス! イッツ・ミー!」
やけに甲高い、ハイな返答。
「エシシシ、た、退魔師の人だね」
「……ええ。ヨミ・ツキヨノ。退魔風紀よ。この娘はどうしたの? あなたが縛ったの?」
「エシッ、ど、どんな人が来るかと楽しみにしていたんだ。で、でもまさかこんなキュートな女の子とは思いもしなかったお」
ひどいオタクなまりの英語だった。学業優秀な詠ではあったが、日本の学校で習った範囲の英語力でしかない。ネイティブというだけでなく、気色悪い言葉使いのギニーの発音は聞き取りづらかった。
「エシシッ! ぼっ、僕もた、退魔師なんだお! エシッ!」
「あなたも?」
「これ、魔法の首飾り!」
ギニーは首からレイのように大きな輪の首飾りを掛けていた。ゴテゴテしていて玩具のようにも見えるが、それが退魔師の証だとでもいうように、ギニーはうやうやしさすら感じさせる態度で掲げて見せる。
「じゃあ、この娘が魔物なの? それとも憑き物憑き?」
「エシシシシッ! 日本の退魔術に興味があったんだお!」
間。
詠は口ごもった。どうも先ほどから会話が成り立っていない。自分の英語が通じていないのかと思ったが、どうやらギニーは人の話を聞かない性格らしい。それに、見たところ欧米人のくせに人の目を見て話さない。
「質問に答えて!」

