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BLACK WOLF~crime~
第5章 兎ノ涙

……黒埼さん。

私が愛したのは優しい黒埼さんでした。

私を守ってくれてた優しい黒埼さん。

強引で、エッチで、悪態を付くこともあったけど、それでもあなたの事が大好きでした。


けれど、最近のあなたはおかしいです。

ハルちゃんにあんな酷いことをして、強引に黒埼さんの邸へ引っ越させようとしたり…

今だってまた、力ずくで私をいいように弄んでる。

…どうして?




…こんなの、恋人じゃない。

これが恋人だというなら、私は誰も愛したくありません。




「いやぁ…っ、限界…っ、あぁあっ!!イッ…」

「またか?相変わらず敏感だな…っ」

「あっ、ああっ!」

抵抗出来ないように私の体を包み込むように抱き締めたまま、腰だけを推し進めてくる。

耐えきれないほどの快楽。

知らないうちに私の手は黒埼さんの背中に回されていた。

「あ、くっ…あぁぁぁぁっ!」

「んっ、俺もそろそろ…か」

「ひぅっ!!ああんっ、だ、だめっ!!」

「そう、締め付けるな…。お前を見てるだけでも相当なのに…っ」


お気に入りの愛玩具を愛でるかのように、口元を緩ませて笑い、私の頭を撫でてくれるが

その手の感覚すら快楽に替わってしまいそう。



徐々に、しかし確実に私の五感は壊れていく…。




「イク…イクッ!!あぁぁっ、許してっ!もう許して下さいっ!!いやあああああぁぁぁぁっ!!」

「━━━━━━━っ!」









この瞬間が1番幸せを感じれていた。

果てた黒埼さんが私の体に倒れ込んで、私の肩で小さく呼吸を整えるこの瞬間が

私は1番好きだった。

唯一の恋人らしい瞬間だと思った。



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