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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯
黒埼さんがハルちゃんを嫌ってるのはわかってた。

私の口からハルちゃんの名前が出るだけでも嫌がるくらい嫉妬深い人だ。

だけど、音信不通になったとなれば話しは別。

少しくらい心配してくれたっていいじゃない…っ。


…いや、黒埼さんにとっては人1人いなくなるなんて何とも思わないんだ。

それが、自分の嫌いな人間となれば尚のこと。



怒りで頭が割れそうになったが、今は黒埼さんよりハルちゃんだ。

「あ…、警察…っ」

黒埼さんの声を聞く限り嘘は見当たらない。

黒埼さんは本当にハルちゃんの居所は知らないようだ。

…黒埼さんは、関係なかったんだ。



だったら、ハルちゃんを探し出す為に残された道はただ1つ。





警察に捜索願いを出すこと。



黒埼さんは関係なかったにしろ、あの時ハルちゃんを外に追い出しそれを止められなかった私のせいだ。

私が黒埼さんを止めてれば…っ。

ハルちゃんにもしもの事があったら悔やんでも悔やみきれない。


慌てながらも私は荷物を集め出した。



捜索願いを出す場合は恐らく警察署に出向かなければいけない。

確かここから近い警察署は…。


鞄の中に財布と携帯と、もしもの時の為の判子。




ハルちゃん…っ、お願い、無事でいてっ!




もう、黒埼さんなんて知らない。

ハルちゃんは私の手で見つけてみせる。

黒埼さんの言う通りもしかしたらどこかで遊び呆けてるという可能性もあるけど、この目でハルちゃんの無事を確認しないことには安心出来ない。











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