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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯



ドクンッ、ドクンッ


祈るような気持ちで黒埼さんからの返答を待つ。

お願い、黒埼さんは無関係だと言って。

ハルちゃんには何もしてないと。

無関係だったとしても、せめて話ぐらいは━━━━。






『…そんなつまらない事で電話したのか?』

「………なっ!?」

受話器から聞こえた溜め息交じりに出た黒埼さんの声。

けれど、その言葉は今までの中で1番冷たくて、そして冷酷だ。

自分の耳を疑ってしまうぐらいに。



「つまらないって…っ」

『心配しなくてもお前らぐらいの年代ならよくある事だろ?遊びすぎて連絡を忘れるなんて』

「ハルちゃんはそんな人じゃないっ!」

『だったら俺にどうして欲しいんだ?』



いなくなってから今日まで会社に連絡も入れないなんてハルちゃんらしくない。

何の連絡もないままに音信不通なんてハルちゃんに限って有り得ない。

ハルちゃんを庇ったこと、後で咎められるかも知れないがそんな事はもうどうでもよかった。

いくら黒埼さんがハルちゃんを嫌ってても、私の幼馴染みが…、1人の人間が何らかの事件に巻き込まれてるかも知れないのに。

どうもしなくてもいいから話を聞いて、どうすればいいのかのアドバイスぐらいくれると思ってたのに。


『悪ぃ。今ちょっと立て込んでて手が離せねぇんだ。落ち着いたら後で━━━━』

「もう、いいです…」


後で?

後でって、何よ?

もう、後だろうが前だろうがどうでもいい。

黒埼さんなんて…っ


『もういい、って』

「最低っ!!」



『おい━━━━━━っ、プー,プー,プー,プー,…





黒埼さんの返事を聞かず私はまた終話ボタンを押し会話をムリヤリ終わらせた。

これ以上この人と話しても時間の無駄だ。

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