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BLACK WOLF~crime~
第6章 時ノ悪戯


その時の私は、心配のあまり心が不安定だったのだと思う。

先程の黒埼さんへの怒りも相交じってて、冷静な感覚が鈍ってたんだと思う。


「私の幼馴染みが行方不明になったんですっ!い、今から警察に行って捜索願いを…っ」

「え…っ!?あ、相沢さんの幼馴染み…?」


桜木さんに泣きついても、桜木さんは困るだけだしどうすることも出来ないのに。

しかし、この不安や心配や恐怖は1人で抱えるには重すぎる。


物凄い剣幕で泣きつく私を見て桜木さんも非常事態だと察してくれたのか━━━━━

「だったら警察署まで送るよ!俺、今日車で来てるからっ!」

「えっ!?あ、でも…」

「ここから1番近い警察署までバスで15分くらいだけど、車の方が早く着く。この間相沢さんを降ろしたところに駐車してるから急いで」

真剣な顔で私に説明をしてくれる桜木さん。

確かに、バスより車の方が先に到着出来る。

この付近の地理なんて全くわからないから桜木さんに任せた方が確実かも知れない。

桜木さんには何から何までお世話になってしまって、今もまたこうして迷惑をかけようとしている。

が、今だけは形振り構っていられないみたいだ。

「……お願いしますっ!」

「それじゃぁ、早く車に…」

自転車も車も土地勘も持ち合わせてない私に取って、今の桜木さんは頼もしい限り。





ハルちゃん…、無事でいて…。

お願いっ!
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