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BLACK WOLF~crime~
第7章 火ノ鳥

けど、これじゃ思うように動けない。

でも、何でハルちゃんがこんなところに?

何であんな目に…っ!?


「ハルちゃんっ!ねぇ、ハルちゃんっ‼起きてっ‼」


恐怖で足が震えて立ち上がれない。

その場から必死にハルちゃんに訴えかけた。


まさか、ハルちゃん…、死んじゃったんじゃ?

こんなに叫んでるのに全然動かないんだもん…。

まさか…

い、嫌だよ…

嫌っ!!



「ハルちゃんっ‼ハルちゃん…っ‼」




すると


…ピクッ「………んっ」


微かだが、ベッドからダラリと垂れ落ちてるハルちゃんの手が動き小さな呻き声が聞こえた。

…ハルちゃん、生きてるっ‼

その反応を見て私の心は小さな歓喜を覚えた。


「ハルちゃんっ‼私よっ‼起きてっ‼こっちを見てっ!」

まだお日様は真上にあるんだし、いくら薄暗い部屋でも私の顔ぐらいは見えるはず。

必死に声を出して自分の居所を教えた。

ハルちゃんと私の距離は4mぐらい。

コンクリートの壁に反響しながら、私の声もハルちゃんに届いてるはず。


「ハルちゃんっ!」

「ん…」


ボロボロの体を引きずりながらもハルちゃんは声のする方に顔を向けた。


その顔を見た瞬間、背筋が凍った。


「ひ…っ」

頭から血を流して、顔中血塗れ。

よく見ると、手や足にも怪我をしてるせいか血が滲んでる。

私と違って拘束はされてなさそうだけど。



「ハ、ハルちゃ…その格好…」

「ま、舞…なのか…?」


ハルちゃんの瞳が私を捕らえた。

久しぶりに見たハルちゃんの姿は惨たらしいものだった。

まるで拷問にでもかけられたような姿。


「舞っ!?お前、何でここに…っ」

「それは私の台詞よ…。ハルちゃん、何があったの?その格好…」








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