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BLACK WOLF~crime~
第9章 君ノ笑顔
すると、私のソコからハルちゃんの顔の気配が消えた。

ハルちゃんがソコから離れてくたれのだ。

やっと解放されたと思ったが、薬でヤラれてるハルちゃんがここで終わるはずかない。

理性の外れた男性が次に何を求めるかぐらいわかってる。

何度も黒埼さんに抱かれたのだから…。



ハルちゃんがベルトのバックルをカチャッと外した。



ダメ…

これ以上はダメ…ッ。



薬と興奮で体温が上昇し血液の循環がよくなったせいか、足の傷に巻かれた包帯にうっすら血が滲んでいる。

傷口が開いたんだ…っ。

このままじゃ、ハルちゃんの足が…

「ハルちゃん、ダメッ!あ、足の怪我が…」

「は、…くっ」

理性が無くなって人格が崩壊してるみたいだが激痛は感じてるはずだ。

あんな足で動いたら今度こそ手遅れの状態になってしまう。

「こんな時にまで他人の心配?ちょっとは自分の身を心配したら?」



…わかってる。

今から私が何をされるかぐらい。

だけど、もう…、黒埼さんは来てくれない。

恋人のこんな姿を見せられて…、助けになんて来てくれない。

でもせめて…、ハルちゃんだけは…っ。



「舞…、俺は…、お前が…っ」

ハルちゃんが私の足を自分の肩にかけ体制を整え出した。




……もう終わりだ。

最後に黒埼さんに何も伝えられないままに…。

黒埼さん…。

黒埼さんに最後に伝えたかった…。


どんなに自分勝手で、冷たくて、意地悪な黒埼さんでも…

私は、そんな黒埼さんの全部を含めて




黒埼さんの全部が━━━━━━━━







「GAME OVER。黒埼 明…」





固く目を閉じて、覚悟を決めた。

心の中でもう来ない恋人の名前を囁きながら…。

目を閉じた瞬間に流れた一筋の涙。



今…、私の中に残るのは黒埼さんへの想いと、それを伝えられなかった後悔…っ




━━━━━━「黒埼さ…っ」


















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