パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 森ノ蝶

「み、見たって…何を…」

「何か、この辺にさアパートやハイツが密集してる地区があるでしょ？ほら、小学校の裏手の方の地区ね。
うちの社員さんであの辺に住んでる人って結構多いから」

小学校の裏手のアパートやハイツが密集してる地区、私のアパートがある地区だ。

職場に近く、駅までも近いからという理由でそこに住んでる。

「そこに見慣れない不釣り合いな外車が停まってて、不思議に思ってたら車から相沢さんが出て来たって。相沢さんもあの辺に住んでるの？さすがに天下の黒埼さんが賃貸に住んでるとも思えないし」


……この職場の社員さんに見られてたってこと？

ちょうど仕事が終わり帰路につく時間帯に私も黒埼さんに送られて来たんだっけ。

それを誰かに見られてたんだ。

…いや、疑問はそれだけじゃない。


「でも、どうして桜木さんが黒埼さんの事を知ってるんですか!?」


私には恋人がいて、会社の社長さんでちょっとしたお金持ちかも知れないけど、それをどうして桜木さんが知ってるの？

黒埼 明さんのことを…？


「だって、黒埼グループって有名だよ。先代の黒埼 六助さんって人はよくテレビに出てたし。って言ってもバラエティーの豪邸訪問とかそんな感じのやつ」

「先代が退いてからは息子が後を継いだとか何とか噂になってて…、で、その息子がすっげぇイケメンだって一時期ネットやマスコミ関係者に顔写真が流出しちゃったんだよ。俺も何となく顔覚えてるぐらいだし」



……黒埼 六助さんって黒埼さんのお父さん、だよね？

ネットやマスコミに顔がバレた…？

何、その話…。

それじゃ、今日朝から他の社員さんや工場長さんの態度がおかしかったのってそれが原因？